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綺麗

kirei

蓼喰ふ虫

この仕事を始めてから、このぶっさいくな私の顔を褒めてくれる人がいるから驚く。

私は自分の顔が嫌い。

一重で、顔が左右で非対称で、眉の形も決まらず、表情が鍛えられてなくてのっぺりしている。

化粧を濃くしたらよりブスに拍車がかかり、これくらいがベストな化粧をして出かけたら「すっぴん?」と聞かれたりする。

 

チャンスがあるなら二重にしたいなあとおもっていたが、どうやらこの顔が好みの日ともいるらしい。信じがたい事だけど。

 

蓼食う虫も好き好きとはよく言ったもんで、人の好みはほんとに様々なんだんあと思い知る。

思い返してみれば、私もぽっちゃりした男が好きだったりする。

優しい男より、少し強引な男に惹かれたりする。

優等生より悪い男がかっこよく見えたりする。

初恋の人の影響とか、周りの環境とか、いろいろな要素が絡まりあって私の好みは出来上がっているように、ほかの人もそうなんだろう。

 

雑誌やテレビで取りざたされる美人はそりゃあきれいでかわいいけれど、それがすべてではないらしい。

確かにこの世の人間すべてが二重で細くて、白かったら、味わい深くないよね。

 

私みたいな一重もいていいんだなって、自分に少し自信を持った。

ありがとう蓼食う虫さん。私は蓼としてもっと精進します。

 

 

蓼喰う虫 (新潮文庫)