綺麗

kirei

自分の若さに価値を見出さずにはいられない

私は22歳で、年齢を書く項目があるたびに、あーまあまあいい年だなと思う。

ちょっと前はハタチだったのになあと。19歳だったころの自分なんて遠い昔のようで、そんな時代があったのかと信じられない。まだ3年前の話なのに。

21歳の誕生日あたりから、何かの境目を超えたように、10代の自分を遠く感じるようになるのはなんでだろう。

 

若さは刻々とうしなわれる事に気づき始めた近年、少し憂鬱だ。

私が高校生のころは早く大人になりたかった。InRedとか30代向けの雑誌が好きだった。

でも、今では、いつかおばさんになるのに、今の内から雑誌読まなくてもいいかなとか、紙面の上で若作る読者モデルの人を見て厭らしさを覚えたりする。

 

若さの価値が分かり始めたらもうそれは社会の常識にも飲まれてる証拠だし、自分がその若さを失いつつある証拠だと思う。

 

昨日の逃げ恥の最終回でゆりちゃんが名言を言ったとツイッターで見た。

「自分の若さに価値を見出しているのね。自分が馬鹿にしている存在になる事はつらい。自分に呪いをかけるのはやめなさい」

みたいな内容だったと記憶してる。

ほんとに名言だなと思う。呪いという表現がぴったり。

こんな呪いかけたくてかけてるわけじゃないけど。

おばさんおばさんと聞く度に自分はまだそうじゃないと優位に立とうとしたり、嫌な女の人の目元にしわなんてあった日には、だからおばさんは嫌いみたいな言い方をしてしまう。

 

嫌なおばさんは多いかもしれないけど、嫌な小娘だって死ぬほどいるし。

嫌な卑屈なおばさんだって、昔は自分の若さに価値を見出してたんだと思う。

 

未来がみえきっている。暗い未来に向かってひた走っているような、呪いがかかった今の状況。

それでも自分に若さしか価値を見いだせない自分。

早死にしたいけど、臆病な自分の為にこの社会全体にかかった呪いを緩和するためにも、まず、自分に若さ以外の価値をつけなきゃ。

 

そうは思いつつ、呪いの深さの前に挫折してしまうのだけれど。

 

若い肌ざわり (二見文庫)