精神安定のためにすっと逝ける毒薬がほしい。
風俗の仕事は今までのどのバイトより結構好きだったりする。
まだ始めたばかりだし、最近少し仕事に対して気持ち悪さも感じているけど、それでも、アパレルの接客より、雑貨屋さんのお姉さんより、コールセンターのオペレーターより、ずっとこの仕事の方が私は好きだなあと思う。
私は昔っから大人っぽい事には興味があったし、貞操観念も今の酷い彼氏のおかげで少しは狂わせる事が出来た。おじさん好きだしお金も好き。
気遣いだから、基本的にお客さんにはニコニコできる。
なんだかんだいってこれが私の天職なのか?と思ったりもする。
風俗が天職だとしたら私はどうなるんだろう。
風俗が天職であることは恥ずかしい事なのだろうか。
社会的に風俗嬢は地位が低くて見下されがちな感じがする。
そんな人目の事は排除するとしても、この仕事は若さが肝心だから、長く続けられない。
その事が、この仕事を生涯の仕事にできない最大の理由かもしれない。
この仕事は若いわたしにとって楽だ。
怒られないし、休みやすいし、時給も普通の仕事に比べて格段に高い。
ちやほやされて気分いい。
内定蹴ってこの仕事したいなーなんて馬鹿げたことばかり考えてしまう。
社会で常識とされる4大からの一般企業就職という定石をガン無視して、この仕事をしたらどうなるだろうかと考えたりする。
若いうちはいいだろうけど、年を取るにつれてどんどん大変になってくるんだろうなって想像つく。
親も悲しむだろうな。
もし私が売り物にならなくなったら、さくっとあの世に(地獄かもしれないけど)行けるように、安らかな毒薬を手元に置いておきたいなあと、破滅的な事を思いついたりした。
ご機嫌で、与える心をもって取り組みたいです。
昨日は生理前だからかかなり機嫌が悪くて、お客さんに塩対応してしまった。
生理前だから、という事もあったけど、なんか、正月に田舎に帰ってから、変に風俗の仕事を客観的に見てしまって、冷静になって、知らない人とキスしてる自分が酷く気持ち悪く思えた。
こういう仕事は貞操観念が一部ぶっ壊れてないと、私には少し抵抗があると思った。
パキっと割り切って、沢山稼ぎたいけど、そうなるにはもうしばらく時間がかかりそう。
だけど、やはり、お金をもらっているわけだし、仕事があるっていうのはありがたいことだから、いくら気持ち悪いとはいえ、ちゃんと最低限は相手に楽しい思いをしてもらわなきゃ済まないと思う。
だから、今日は朝、キチンと時間通りに起きて、準備して、与える心をもってお仕事をしようと、心の中でつぶやいてからお仕事に向かった。
祝日で、お仕事も結構忙しくて、素敵なおきゃくさんにも会えたし、けっこういい感じだった。
神様はいるんだかいないんだかわからないけど、こうやって徳を積むような気持で、丁寧に、与える心で、ご機嫌にお仕事がしたいなあと思った。
一重って化粧の濃度の高め方が難儀です
今日、素敵なお客さんが来た。
私の昔好きだった人に似ていて、自信があって、面白くておらついてて、二重で、がっちりした体形で、髪がふわふわの、私が好きなタイプのお客さんだった。
私は素敵な人を前にすると緊張してしまうんで、何にも、気の利いたことが言えず、もしかしたらつまらない思いをさせてしまったかもしれない。
また来ると言ってくれたけど、もう来てくれないかもしれない。
ぜひまた会いたいけど、あんまり本気で待っていたら心が辛いから、神様にそっとお願いしてもうその事は考えないようにすることにした。
私は、自分ではけっこうきっちり化粧しているつもりでも「化粧っ気がない」とよく言われる。
ええーと自分では思うけど、ほんとによく言われるから、他人から見た私の顔は、時間かけて化粧しても、すっぴんに見えているのかもしれない。辛い
今日のそのお客さんにも「きっちり化粧したらきれいになりそう」と言われてしまった。
これをポジティブに褒め言葉としても取れるけど、化粧薄くていまいち、と言われているとも取れてしまって、少し、悲しんでいる。
次、もしそのお客さんが来てくれた時の為に、もっと、きれいに化粧ができるようになって、自分に自信をもって、もっとたくさんお話しできるようになっていたいなあと思ったりした。
源氏名は「ゆみ」にすればよかった
身体は擦り減らない。
知らない人とキスしたって、知らない人に脚を嘗められたって、私の唇も、脚も、減らない。
だから大丈夫なんだと自分に説いて働く。
事実そうだと思うし、こんなことでいちいちぐちゃぐちゃ考えない強い女になるべきだと思う。
私の大好きな岡崎京子のpinkに出てくるゆみちゃんみたいに、軽妙に、さっぱりと。
虚しい位に過ぎた事は忘れてしまいたい。
つい最近、私もおまんこ商売みたいな事に(ゆみちゃんほどではないけど)片足を突っ込んでしまって、源氏名を適当に決めてしまったのだけれど、
せっかくだったら私も、リスペクトしている「ゆみ」の名を名乗りたかったかなあなんて一瞬考えたけど、それはおこがまし過ぎるから、今のままでいいのかもしれない。
香水じゃなくてアロマの匂いを纏いたい
バイト先の子が手にいい香りのするミストをつけていた。
香りは少し離れた私の席にまで届いた。
定かではないが、フェルナンダだったんじゃないかなと思う。
薬局や雑貨店でよく見る、手ごろな価格の、比較的万人受けする所謂「モテ」香水みたいな感じの香りだった。
私もいい香りを纏いたいなあと思ったのだけど、安直に、その量産された「モテ」の香りが詰まったプラスチックの瓶を買う気分には到底なれなかった。
場違いに薬局なんかで売ってるハイブランドの香水も、なんだか私にはけばけばしすぎる気がした。
私みたいに地味な女は、アロマな、ハーブの香りを漂わせるのがちょうどいいんじゃないかと思った。
柔軟剤の匂いがもてはやされてた時期もあったけど、少し生活感がする気がした。
ハーブの香りを纏っている人がいたらどうだろう。
ハーブの匂いはなかなか服につかない。
だから、なんだか、アロマを日常使いしている、清潔な女のイメージがする。
柔軟剤の香りも、シャボンの匂いも、もう沢山街の女の子が漂わせてるから、私はアロマの香りがする女になりたいと思った。
自分の若さに価値を見出さずにはいられない
私は22歳で、年齢を書く項目があるたびに、あーまあまあいい年だなと思う。
ちょっと前はハタチだったのになあと。19歳だったころの自分なんて遠い昔のようで、そんな時代があったのかと信じられない。まだ3年前の話なのに。
21歳の誕生日あたりから、何かの境目を超えたように、10代の自分を遠く感じるようになるのはなんでだろう。
若さは刻々とうしなわれる事に気づき始めた近年、少し憂鬱だ。
私が高校生のころは早く大人になりたかった。InRedとか30代向けの雑誌が好きだった。
でも、今では、いつかおばさんになるのに、今の内から雑誌読まなくてもいいかなとか、紙面の上で若作る読者モデルの人を見て厭らしさを覚えたりする。
若さの価値が分かり始めたらもうそれは社会の常識にも飲まれてる証拠だし、自分がその若さを失いつつある証拠だと思う。
昨日の逃げ恥の最終回でゆりちゃんが名言を言ったとツイッターで見た。
「自分の若さに価値を見出しているのね。自分が馬鹿にしている存在になる事はつらい。自分に呪いをかけるのはやめなさい」
みたいな内容だったと記憶してる。
ほんとに名言だなと思う。呪いという表現がぴったり。
こんな呪いかけたくてかけてるわけじゃないけど。
おばさんおばさんと聞く度に自分はまだそうじゃないと優位に立とうとしたり、嫌な女の人の目元にしわなんてあった日には、だからおばさんは嫌いみたいな言い方をしてしまう。
嫌なおばさんは多いかもしれないけど、嫌な小娘だって死ぬほどいるし。
嫌な卑屈なおばさんだって、昔は自分の若さに価値を見出してたんだと思う。
未来がみえきっている。暗い未来に向かってひた走っているような、呪いがかかった今の状況。
それでも自分に若さしか価値を見いだせない自分。
早死にしたいけど、臆病な自分の為にこの社会全体にかかった呪いを緩和するためにも、まず、自分に若さ以外の価値をつけなきゃ。
そうは思いつつ、呪いの深さの前に挫折してしまうのだけれど。